第2回研修会「認知症高齢者の口腔ケア」質問カードへの講師回答

令和元年度大分県介護福祉士会第2回研修会 

    質問カードへの講師回答

第5ブース「認知症高齢者の口腔ケア」

     (歯科衛生士の立場から)

講師:一般社団法人 大分県歯科衛生士会 

   西別府病院 主任歯科衛生士 原 德美 氏

 

【質問 ①】 

 歯ブラシ使用後の管理方法を教えて下さい。消毒や乾燥をした方が良いでしょうか。

【講師回答】

 汚れを流水下で十分洗浄し、次亜塩素酸0.01~1%(商品名:ミルトン・ジアノック)に

 30分浸漬するのが望ましいですが、難しい場合は、流水下でよく洗浄してください。

 歯ブラシの先を上にしてコップにたてて十分乾燥させることも大切です。

 食器乾燥機で乾燥させているところもありますが、自宅と同じように、歯ブラシの毛先が

 開いたらプラーク除去率が下がるので、交換するように心がけてください。

 1~2か月1回くらいでしょうか。障害者施設の方は、利用者さんが咬反射で、

 すぐ毛先が開きます。重症心身障害者の病棟では、1か月1回交換しています。

 噛まないようプラステック素材の指サックを使用する場合もあります。

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【質問 ②】

義歯を外す時抵抗されてしまいます。落ち着いた時でも噛まれてしまうことが多いです。

【講師回答】

 落ち着いた時は、いつでしょうか。本当に義歯の適合は良いでしょうか。

 残っている歯や粘膜に痛みはないですか。粘膜にカンジタ(白い偽膜形成する)が

 あるとヒリヒリして痛いこともあります。溝がある等口腔が乾燥していると疼痛を

 訴えられる方がいます。あと、噛む反射が強く、何でもかみつきたい方もいます。(笑)

 口腔ケアをする時に、指で口を開けようとすると、指を噛みつこうとする方がいました

 声かけてごはん食べた後毎回、口腔ケアを習慣にしていたら治りました。

 私の指は、食べ物ではないと認識していただけたのでしょうか。

 奥歯の咬み合わせの面や、側面をさわると、咬む反射がおきますからそこに指はおかない

 ようにします。バネがある義歯でしたら、両方のバネを一緒に動作をする。

 義歯のくせがあります。笑顔で優しく声かけも大切です。

 すこし外す前に目をみて合図するとよいかもです。

 肩を2回トントンと合図して、「○○さん、入れ歯きれいにしますから、外しますよ」

 「私にみせてください。」自分で、外すよううながしてみるのはいかがですか。

 意外とできる方、多いですよ。アプローチの方法はさまざまですね。

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【質問 ③】

 ファストンをつけて義歯をつけている方がいますが毎回つけるので先ずは義歯の調整を

 した方が良いですか。また、歯もなく義歯もつけない方の食事が心配です。

 歯茎だけで食事をすると身体に悪影響がありますか。

【講師回答】

 できれば義歯の調整をおこなった方が良いと思います。

 ファストン結構お高いですよね。たぶんやせたりすると歯ぐきも痩せます。

 口腔機能低下してあわなくなることもあります。口腔乾燥の方だと保湿剤を塗って

 あげることだけでも良いかもしれません。窒息のリスクも高くなるので、

 必ず食事場面は観察してください。食事形態の幅は狭くなります。

 柔らかい炭水化物が増える傾向にあるそうです。硬いものは、噛めないので

 脳血流は悪くなり、栄養の吸収も噛めるかたのほうが、アミラーゼ酵素で

 分解されるので良いです。

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【質問 ④】

 義歯を装着するのにポリグリップが良いでしょうか、粉のタイプの物が良いでしょうか。

【講師回答】

 ケースバイケースです。ポリグリップは、維持力は強いですが、

 つける量が多いと歯ぐきや粘膜にはりつき、除去しづらいです。

 あと適切な位置で1分間おさえておくことが明記されています。

 粉のタイプは、余剰分を取り除かないと義歯がうきますし、口腔乾燥が強いと

 吸着が不十分なことがあります。

 1度かかりつけ歯科医院に行くことをお薦めしてみてください。

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【質問 ⑤】

 口腔ケアも一人一人違ったケアも必要と改めて感じました。

 歯ブラシをあてるのも基本を知るということを学びました。

【講師回答】ありがとうございます。

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【質問 ⑥】

 口腔ケアの重要性が実に大切だと感じました。自分の歯磨き方法も一度見直したいと思います。

【講師回答】

 鏡をみながら、時間ある時は丁寧に磨いてください。ありがとうございます。

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【質問 ⑦】

 脳からP、ジンジバリウス細菌が発見されたということはどういう意味合いでしょうか。

【講師回答】

 P,ジンジバリウスは、歯周病菌の中でもの大魔王のような悪い菌なのですが、

 毛細血管を通して全身にまわります。いままでは、亡くなった方の髄液からは、

 発見されていましたが、ご存命なアルツハイマー型認知症の方から発見されたのです。

 それが、2019年の1月に海外の学会で発表され、アルツハイマー型認知症の予防薬にと

 製薬会社が研究しているそうです。なので、歯周病治療は、認知症予防にも効果がある

 のではないかということです。

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【質問 ⑧】

 歯ブラシをどうしても交換できない患者様がいます。

 長くきれいに保つ方法などあれば教えて下さい。

【講師回答】

 歯ブラシは消耗品なので、お願いですから劣化したら交換してあげてください。

 しいて言えば良く水洗いして、きれいに保つことです。

 強い力でゴシゴシ磨くとはやく毛先が開いて、

 劣化が進むかもしれません。

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【質問 ⑨】

 入れ歯があるのに使用しない方がいます。(痛い、違和感の訴えがある)

 何か良いアプローチの仕方はありませんか。

【講師回答】

 義歯の適合がよいかが気になります。ほんとに痛いのでしたら、苦痛なので、

 どこがどう痛いのかを探してみてください。全身的に嘔吐反射や胃食道逆流など

 ないでしようか。のどの奥なのか、手前、舌、粘膜の違和感なのか聞いてみてくださいね。

 原因でアプローチの方法はかわりますが、まずは、ごはんを食べていないとき、

 10分から義歯装着の練習をしましょう。少しでもできたら、大げさにほめる。

 義歯の奥に違和感あれば、歯科医院で少し小さく削っていただいたり、

 痛いところは、歯槽骨の隆起があり、あたっているかもしれません。

 それも義歯調整が必要です。姿勢はいかがでしょうか。

 姿勢一つでかみあわせがずれて痛みを感じることが、あります。

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【質問 ⑩】

 少しやせたりして入れ歯が緩くなり、食事中に外れる方はどのようにすれば良いですか。

(新しく作り変えることは難しく在宅で動けない方です。家族も受診介助が難しい状態です)

【講師回答】

 粘膜のたりないところをたすタイプの義歯安定剤があります。

 タフグリップでしたかしら、ドラックストアに売っています。

 歯ぐきがやせてゆるくなりました。というとわかると思います。

 ピンクでだんだん硬くなります。1週間くらいはもちますが、不潔になりやすいので、

 良く洗ってくださいね。できたら、訪問歯科で1回みていただくとよくわかりますよ。

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【質問 ⑪】

  長年入れ歯をせずに歯茎だけで食事をされている方、

  それでも良くかんで食べています。

  そういう方の場合はそのままでも良いのでしょうか。

  又、口腔ケアはどのようにするのが良いでしょうか。

【講師回答】

  何歳の方かわかりませんが、85歳過ぎると新しい義歯は、なかなか受け入れが困難です。

  年齢だけではありませんが、長年義歯未使用だとこれから難しいと思います。

  ただ、嚥下の能力はだんだんさがりますから、むせはじめたとか、食事時間が長くなった。

  うがい中むせる。などの観察は、必要です。口腔内環境は、粘膜ケアと舌ケアが重要です。

  特に舌の力は嚥下機能と相関がありますから、歯ブラシやスポンジぶらしで、

  奥から手前に汚れをふき取ってください。お口の体操も、めじろん元気アップ体操してください。

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【質問 ⑫】

 高齢者の中にはせっかく作った入れ歯も中々あわないと言い、

 着けないでいる方も多くいます。

【講師回答】

  義歯は、ひとりひとり違いますから、作ってもすぐにあうとは、限りません。

  何回も調整するかたもいます。食べるための道具ですから、杖と一緒です。

  杖の使い方を1歩から練習するように、食事以外の時にいれて、好きなおやつ食べるとか。

  最初から、杖ついて走りません。最初は、柔らかい食材を1口食べてみましょう。

  義歯を入れたら最初からなんでも、ガシガシ食べられるようになると期待している方が

  多いと思いますが、どんなに良い義歯でも、自分の歯40%くらいと言われています。

  私は、実際義歯使用していませんのでわかりませんけれども、多くの患者様は、

  義歯装着したらお口の体操から練習します。食べる時どんなふうに使っていただいているか

  食事場面の観察を行っています。咬み合わせの調整を行うことで、義歯使用できる

  こともあります。ぜひ歯科関係者と連携をとっていただけると嬉しいです。