第2回研修会「認知症の方への食の支援とかかわり方」質問カードへの講師回答


令和元年度大分県介護福祉士会第2回研修会
質問カードへの講師回答
第3ブース「認知症の方への食の支援とかかわり方」
公益社団法人大分県栄養士会 会員
特別養護老人ホーム茶寿苑 管理栄養士 曾我 優子氏

【質問①】
 認知症の方に好物を提供すると落ち着いて笑顔で過ごして頂けるようになり
 介護している側としても喜びを感じます。ご本人の病気の関係で思うように
 好物を提供できず、そのことで気分を害してしまう場面があり辛い気持ちになります。
 そのような場合はどのように対応したらよいでしょうか。
【 講師回答 】
 研修内でもお話させていただいたように、自身のことを理解してもらえると気分が良く、
 居心地も良いため、とても穏やかに過ごす様子が伺えます。
 食事と併せて『好物だと嬉しい、食べたい!!』と食も進みます。しかし、疾患に関連して
『好物を口にする機会が少ない、ない』といった場合は、食欲が低下し摂取量が減ることで
 低栄養や脱水になる危険性が高まります。
 空腹で不穏やイライラの行動が介護拒否や暴言、事故の原因にも繋がります。
 声をかけて、会話から思い出を引き出すことで『勧め上手』になっていただくことが
 大事なコミュニケーション力とスキルアップ゚に繋がると思います。
『どうしても、食事量が低下して・・・』 
そのような場合は・・
イ) 調理方法を変更してみる。 (苦手な調理法や提供された環境整備や食具ほか)
ロ) 食材や食品を変更してみる。 (食感や食形態の不快感ほか)
ハ)提供スタイルを変更してみる。(ワンプレートや弁当箱を使う、おやつ会などレクと兼ねる)
ニ) 疾患に合わせたおやつ(補食)の検討・提供 
 ※必要な栄養量を『美味しく食べる、楽しみのある食事』が一番必要になってきます。
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【 質問 ② 】
 低栄養、脱水はとても気になりますが、中々水分補給もできない状況もあります。
 少ない量で回数を増やしてあげるのも良いでしょうか。

【 講師回答 】
 水分補給のタイミングも人それぞれですが、高齢者の特徴の一つに
  イ)一度に飲む量よりも、少量を頻回に摂る
  ロ)一つ動作の前後に合わせる
  ハ)嗜好(嗜好品の提案、適温、トロミの必要有・無)を活かす
  ニ)アイスクリームやゼリー、ラムネなどの水菓子など好物を検討
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【 質問 ② 】
簡単にできる口腔体操が知りたい。
【 講師回答 】
『めじろん元気アップ体操』や歯科衛生士会から『歯ん健体操』など掲載されています。
 
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【 質問 ③ 】
  詳しい情報を知ることができ(各認知症)引き出しを増やすことができました。
【 講師回答 】
『詳しく知ることが出来て良かった』とのご意見、ありがとうございます。
 認知症は多種多様なケースも多く、個人によって様々な状況に相違が見られます。
 『これが正解!!』と言えない分、周囲の環境(関わり方や場所設定など)多くの
 事例に対応していただくことで、引き出しはさらに増えると考えられます。
 
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【 質問 ④ 】
 味付けを濃いめにしないと食べない利用者の支援で、訪問看護からは
「血圧が高くなるので薄味、減塩で」と指示がありますが、健康状態も踏まえ
 食事提供するにはどうすれば良いでしょうか。

【 講師回答 】
 高齢になってからの減塩・低塩は困難なケースも多く、悩んでいる方も多いです。
 長年の食生活の習慣と併せて調理法のみではなく、食べ方や選んでいる食品そのものが
 合っていない場合も考えられます。本人にあった食品選びの知識や気づき、それらを
 工夫することが大切ではないでしょうか? 簡単な工夫であれば・・・香味野菜の活用も一つ。
 イ)切り方を薄くすることで、味付けの入り(浸透)も良く時間も短くなる。
   さらに、下味の漬け込み量も少なく出来、少量で低塩できる。
 ロ)かけ醤油よりつけ醤油に変更すると、食品が調味料を吸い込まないよう工夫できる。
 ハ)一口食べてみて・・からスプレー式などで表面にミスト状に味がつくことがわかる。
 ニ)減塩商品も一案ですが、たくさん使えば同じ。調味料など小皿の最小化も一工夫です。
 
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【 質問 ⑤】 
 高齢のご主人が寝たきりの奥さんを自宅で介護しているお宅に訪問しています。
 食事は毎食ご主人が作っていますが365日毎回同じものです。
 (おじや、缶詰のさばをほぐした物、市販の白和え)
 その日その時間の奥さんの状態にもよりますが、食事が進む日、全く食べない日と極端です。
 高齢のご主人にもっと違うものをと言いたいところですが、中々その話をするのも申し訳ない感じです。
 何か良い方法はありますか。(本人も美味しくないと言います)

【 講師回答 】
 ご主人が介護していても、毎日同じ食事や缶詰・市飯のお惣菜ほかでは飽いてしまうことは、
 どなたにも言えることと思います。よく実践して気づくことは、お寿司(簡単寿司の素)
 やそうめんなど(細麺)を使って温麺なども喜ばれる料理です。さらに、
 口当たりのよいアイスクリームや新鮮果物も口中がさっぱりします。
 さらに嗜好に合えば、たこ焼きや焼きそばなど香りのはっきりしたソースの匂いが
 刺激にもなり食欲が出るようなケースもあります。認知症の場合、
 一緒に行動していただくことで『これから・・』食べるという行動に繋がり、
 活動があれば空腹も感じられることになります。嗜好や味覚は個人によって違いがあるため、
 必要な必須情報になるかと思います。
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【 質問 ⑥ 】
 中々食べようとしない時の声掛けはどのようにしたら良いでしょうか
【 講師回答 】
 質問①でも説明させていただいたように、得意だったこと、趣味を交えて楽しく過ごした
 日々の振り返り、思い出と一緒に好物を聞きだすことで調理法や食品、さらにおやつ会や
 食事会など一緒に関わって役割を持っていただくことで昔話と併せて声をかけています。
 季節の移り変わりや、食べたいものが描けるか?伝えられるか?はとても良い刺激になると
 考え実践しています。手と眼を合わせ、正面から向き合い視野に入ること。
 声の大きさやトーン(抑揚)とソフトにボディタッチしながら心地よい刺激が入り口になり、
 会話の内容は食事だけに拘らず、急ぎ過ぎず、周り(環境など)から思い出を引き出すこと。
 会話の中から『勧め上手』『褒め上手』になっていただくことが何より大事と思います。
 おわりに・・・
 最期まで、『美味しく食べること』の継続は簡単なようですが、
 容易ではないことも増えてきます。いろんな関係や環境によって様々な模様を描きます。
 「食べて、食べて!!」の思いが、自分で食べたくなるには?何がどのように整えば
 可能を継続できるのか?
      ・個人一人ひとりを見ること。
      ・アセスメントを行なうこと。
      ・目標と現状から、課題を導き出すこと。
これらを念頭に、この先も『元気と笑顔を携えて・・・』とスタッフ一同願っています。
いろいろなご意見、お問い合わせありがとうございました。



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